戦後の経済成長を支えた財政投融資に注目する動画を作りました。戦後日本の財政はながらく健全財政(一般会計の国債発行ゼロ)だったのに、どうやって戦後の産業復興やインフラ建設などの資金を、政府がまかなうことができたのでしょうか? 広い意味での政府が、いっさいの負債(貨幣発行や借り入れ)によらずに資金をまかなったと考えるのは間違いです。
終戦直後のインフレ期には、復興金融公庫の資金調達のための債券(復金債)は、大部分が日銀によって引き受けられていました。そして、財政投融資の制度が確立してくると、その財源の多くは、経済成長の成果を人々が郵便貯金などの形で蓄え、その巨額の資金を政府が運用していたのです。
さいごに、石橋湛山蔵相が、戦後インフレまっただ中の1946年4月に、次のような素晴らしい演説をしていたことを、紹介しておきます。
「インフレは、通貨収縮、すなわちデフレ政策によって処理しうるものでは断じてない。饑饉物価は、物の生産と出廻りによってのみ救治しうる。...財政の第一要義は...生産活動を再開せしめることにある。たとえ財政おいて赤字を生じ、ために通貨の増発を来すとも、何ら差し支えがない。...かえってこれこそ真の意味の健全財政であると信ずる」
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