朴勝俊 Park SeungJoonのブログ

反緊縮経済・環境経済・政策に関する雑文 

2020-01-01から1年間の記事一覧

高橋是清講談(昭和編)ー昭和金融恐慌から2.26事件までー

昭和財政における高橋是清(たかはしこれきよ)の業績を皆さんに知っていただくため、講談師の玉田玉秀斎師匠に『高橋是清講談(昭和編)』を続き読みしていただきました。 ※ 玉田玉秀斎オフィシャルページ http://ahs-web.com/tamadagyokusyusai/index.html…

野党は下手なアベノミクス批判より 独自の経済政策を

※この記事は『アジェンダ-未来への課題-』2018年冬号に掲載されたものです ■はじめに 筆者は安倍政権に批判的な立場であるが、「アベノミクス批判」にはあまり関心がない。いわゆる「アベノミクス」は成功か失敗かと問われれば、この「スローガン」は安倍…

【みんなのおカネの紙芝居シリーズ 第2弾】「生産性」の低い企業や労働者を淘汰して、経済を成長させるという考え方は、間違いです! ーデーヴィッド・アトキンソン氏への反論

【みんなのおカネの紙芝居シリーズ 第2弾】「生産性」の低い企業や労働者を淘汰して、経済を成長させるという考え方は、間違いです! ーデーヴィッド・アトキンソン氏への反論 (朴勝俊) 次期首相の最有力候補・菅氏からも信頼されているといわれる、D・ア…

エコノメイト・マクロ計量モデルで消費税減税を試してみた

先日、念願の「エコノメイト・マクロ計量モデル」を入手した。これは過去30年以上の実績があり、販売元の湘南エコノメトリクスが膨大なデータファイルと計量モデルのアップデートを続けてこられているものだ。今回入手したのは基本システムと、マクロ経済モ…

【動画】国の借金を返すとおカネが消える-池上彰さんの「国の借金1100兆円」にこたえて

【みんなのおカネの紙芝居シリーズ 第一弾】「国の借金を返すとおカネが消える-池上彰さんの「国の借金1100兆円」にこたえて」v3 朴勝俊 池上彰さんは「国の借金が1100兆円」などと間違った事実を拡散しています。彼の説明がわかりやすいのは、これまでの「…

消費税・付加価値税の負担と国の幸福度には何の関係もない:OECD諸国データ分析による簡易な考察

■ はじめに 消費税の増税に賛成する人々の中には、消費税が高い北欧諸国の幸福度が高いことを論拠にする人がいる。そうした考えを代表する論考のひとつが、井手英策教授の「全国民に批判されても、僕が「消費税を上げるべきだ」と叫ぶ理由」(現代ビジネス、2…

PCR検査の「正確さ」入門

日本のPCR検査数(人口比)は、4月末に先進国で最下位レベルと指摘され[1]、7月末には世界で159位と[2]、アフリカ諸国よりも少ないです。その理由は、マスコミ等でPCR検査の「不正確さ」が宣伝され[3]、それによって、検査を増やさない政策が正当化されてきた…

太政官札の発行・流通・廃止の経緯 『明治財政史 12巻 通貨(2)、銀行(1)』から学ぶ

2020.6.24 解説・要約:朴勝俊 https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=11895319 ■ 解説 太政官札(だじょうかんさつ)は明治元年(1868年)に、新政府によって発行された政府紙幣です(ちなみに太政官は現在の総理大臣に相当する役職です)。それまで…

講談「寛政下(シモ)一揆」江戸近郷1016の農村が町民にクソ反旗を翻した物語

朴勝俊 講談「寛政下一揆」

「構造改革」で労働生産性を向上させることは本当に、「給料安すぎ問題」の解決策なのか?

toyokeizai.net2020/09/11 追記:関連動画とスライドはこちら(説明の図式は若干異なります) parkseungjoon.hatenadiary.com <はじめに> 経営アナリストのデービッド・アトキンソン氏が「MMTでは解決しない「日本人の給料安すぎ問題」 労働生産性向上のた…

新型コロナ禍の今こそ積極的経済政策が必要である -歴史から学ぶ反緊縮政策-

この文章は『現代の理論』(2020年夏号)に寄稿したもの(校正前)です。 季刊・現代の理論 ■ 新型コロナ禍の現状 2020年5月上旬現在、世界は新型コロナウイルスのパンデミックに襲われています。世界各地の医療施設で人員・設備・機器の不足が表面化し、医…

宇都宮けんじ陣営の『補足:地方債の発行について(宇都宮けんじの政策)』に見られる誤解を解きます

先日、以下「補足:地方債の発行について」(以下、「補足」)という文書が、ツイッターを通じて、「宇都宮けんじ 広報」というアカウントから拡散されました。筆者自身は、この「補足」に書かれていることを、選挙戦で超多忙な宇都宮けんじ候補は承知してお…