本稿では、実際の日本の経済データをもちいた実証的なストック&フロー・一貫モデル(SFC)の制作を試み、データセットの作成から、モデルの構築、そして政策シミュレーションの試運転に至るまで、その経過と到達点を記録した。デンマークのデータを用いたBy…
国民経済計算(GDP統計が含まれる統計集)の資金循環データを、部門統合して、7資産項目・6部門の実証モデルを構築しました。これは計量経済学的な手法を用いて、実際のデータによく当てはまる連立方程式体系として推計したものです。 これを用いた簡単なシ…
日本型ポピュリスト・モーメント? ポピュリスト諸政党と2024年および2025年の選挙 著者:アンドレアス・エーダー=ラムザウアー(ウィーン大学) 翻訳:朴勝俊(関西学院大学) 2025/8/18 drive.google.com ■ はじめに(抄) 「日本人ファースト」というスロー…
研究ノート 経常収支増加によるマネーストック増加および内外金融資産の持ち替えに関する最もシンプルな整理 朴勝俊 2025/7/13 drive.google.com 1.輸出のばあい 輸出によって日本国内のマネーストックが増加することを、最も単純な想定で、図解で明らかに…
「この国の最大の問題は"外国人優遇"ではなく"高齢者優遇"」なのか? Twitterで意見交換させていただいたWind Villaさまへのお返事 朴勝俊 Upload 2025/7/10 イスラエルによるジェノサイドに毅然とした姿勢を示しておられる、京都のゲストハウスWind Villa様…
「もしも2014年度以降に消費税が増税されていなかったら?」 ストック&フロー・一貫マクロ計量モデルによる反実仮想シミュレーション 朴勝俊 2025/6/1 要約 本稿のストック&フロー・一貫マクロ計量モデルを用いた反実仮想シミュレーションによれば、野田佳…
アトキンソン氏は政府支出伸び率と経済成長との因果性を断言すべきではなかった 朴勝俊 2025/5/31 ↓ 全文PDFファイルのダウンロードはこちら drive.google.com 世界各国の名目政府支出伸び率と経済成長率との間には明確な正の相関関係がある(図1。とくに名…
アルトゥーロ・C・ポルゼカンスキー(2018)「債務残高対GDP比の重要性に対する異議申し立て」World Economics, March 2018 翻訳: 朴勝俊(2025/5/20, 2025/5/26変更) Arturo C. Porzecanski (2018) Debunking the Relevance of the Debt-to-GDP Ratio, Worl…
2025/3/20公開 2025/3/28更新 2025/5/23更新 2025/7/3更新 デンマークのByrialsenらのモデルを参考に、日本のデータでストック&フロー・一貫モデル(実証的マクロ計量モデル)を試作してみました。いくつかのシナリオを試しましたが、結果はマクロ経済理論…
12月17日差し替え更新:全文ダウンロードはこちら※引用される場合出典の明記をお願いします drive.google.com 以下の本文は、2024年11月22日のバージョンのまま更新していません。 正確な情報はPDFファイルをご利用ください。 <要約> 本稿では、最近話題と…
研究ノート「ストック&フロー・一貫モデル入門」 未定稿のため引用不可朴勝俊2024/9/26 1.はじめにポストケインジアンのストック&フロー・一貫モデル1(Stock-flow Consistent Model、SFCモデル)については、最近の現代貨幣理論(MMT)関連の書籍の中でWynne…
ジョセフ・ワン(2020)『セントラル・バンキング101』 Joseph Wang (2020) Central Banking 101, New York, 2020 朴勝俊訳(2024/7/24更新) 著者略歴 コロンビア大学法科大学院を卒業したが、金融危機時に金融部門への転職を試みた。オックスフォード大学…
ブランシャールのIS-LM-PCモデルにおける日本のPC曲線に関する実証的検討 朴勝俊 2024/2/28 ※ お時間のない方は「はじめに」と「結論」のみお読みください 1.はじめに ブランシャール教科書におけるIS-LM-PCモデルでは、PC曲線はフィリップス・カーブを意味…
朴勝俊 「米山ワールド(コメとカネの経済)に関する検討(2024年2月18日) 図1 米山隆一氏のツイート 米山隆一氏が山本太郎氏を批判する記事が公表され[1]、その後、彼が自身の考えを説明するツイートを発信している(図1)。彼が経済に関する自説を、何ら…
日本に関するブランシャールのIS-LM-PCモデルのエコノメイト-Macroを用いた推計 朴勝俊 2024/2/17 1.はじめに 「ブランシャール マクロ経済学(上)[第2版]」(ブランシャール、2020)におけるIS-LM-PCモデルは、現実には金利は中央銀行が決めるという立場…
ベスト・オブ・マンキュー: 世界で最も売れた経済学教科書の誤りと混乱 ペーター・ボフィンガー 2021年1月3日、朴勝俊訳 2023年12月18日 引用・参照は原典に対して行ってください Peter Bofinger (2021) Best of Mankiw: Errors and Tangles in the World's…
アンドレアス・エーダー=ラムサウアー(2022)「山本太郎とれいわ新選組 ― 新自由主義日本のための、愛と、ポピュリズムと、ラディカルなデモクラシー」 翻訳: 朴勝俊(2023/10/17) ※ 公式の翻訳ではないため引用・参照は原典に対して行ってください。 原典…
論文 ブロック&ソマーズ「スピーナムランド制度の影で:社会政策と旧救貧法」紹介文 朴勝俊 スピーナムランド制度の名を知る人はおそらく、マルクス&エンゲルスの著作か、カール・ポランニーの『大転換』か、あるいはベーシック・インカム(BI)を唱道するル…
円安およびエネルギー資源価格高騰で物価はどれだけ上がるか産業連関分析を用いた価格波及分析 朴勝俊 2023年7月7日 1. はじめに 2021年頃から世界的にエネルギー資源(石炭・原油・天然ガス)の価格が倍以上に高騰しており、2022年に入っては2~3割におよ…
アーチャー&モーザー=ベーム(2013)『中央銀行の財務』(第1部第2節)抄訳 David Archer and Paul Moser-Boehm (2013) “Central bank finances”, BIS Papers, No. 71, Part A, 2. The relevance of own finances, as viewed from the economics literature …
概要と結論 資金循環統計を用いて、近年のマネーストック増加率の要因分解を試みた。M3は2000年第に停滞し、2010年代に伸び、2020以降に急激に増えたように見える(図1)。ちなみに、2021年3月末までの1年間で約103兆円も増加した。これについてはまず、2020年…
本稿は2022年11月に新訳が出版された、ゲオルグ・フリードリヒ・クナップの『貨幣の国家理論』(小林純・中山智香子訳、日本経済新聞出版)を読み進める方々の便宜のために、概念整理を試みたものである。貨幣に関して我々が平素使っている用語と、クナップ…
youtu.be 制作・解説:朴勝俊(関西学院大学教授) 「ミクロ経済学の貨幣循環」というタイトルで、貨幣と財政の本質をわかりやすく解説した動画です。政府の貨幣発行だけでなく、岸昌三先生の論文「貨幣循環」の事例に基づき、民間の生産活動の営みを支える…
BIS研究者による実質実効為替レートの解説を翻訳しました。全文はPDFファイルをダウンロードしてご覧下さい。なお、翻訳には誤りがありえます。引用のさいは原典をあたってください。 新しいBIS実効為替レート指数 Marc Klau and San Sau Fung 著 朴勝俊 翻…
2022年1月26日 朴勝俊著 ■ はじめに 日本経済新聞(日経)が、「円の実力低下、50年前並み、弱る購買力、輸入に逆風 消費者、負担感増す」というタイトルの記事を出しました(2022年1月21日)。記事は冒頭部分で以下のように述べています。 円の総合的な実力…
今回は、積極財政の説明をする必要がある人のための、短かめの10分の動画です。 www.youtube.com 貨幣と財政の本質をとらえた積極財政論の根拠説明の中でも、比較的むずかしい、(1)政府支出と国債発行で貨幣が生まれる、(2)国債は借り換えるもので、それは常…
100%マネー アービング・フィッシャー著、朴勝俊訳 1935年刊 ※文末にPDF版を掲載しています $5 large-size Federal Reserve Bank Note, Series 1918(National Museum of American History - Image by Godot13) はじめに アメリカでは、他のいくつかの国と…
日本のPCR検査数(人口比)は先進国で最下位レベルです。ニュージーランドや台湾、韓国、中国などは少数でも感染者が見つかれば大量のPCR検査と隔離を行い、感染ゼロを目指していますが、日本は「専門家」たちがPCR検査の精度が低い、徹底的な検査を行うとニセ…
サンティン、シャイム、マカロフ、ヤギサワ、ボロディ「イベルメクチン:COVID-19という新たな世界的惨事に対する有効性が示されたノーベル賞受賞の多面的薬剤」翻訳 ver.1 (2021/8/7) 翻訳:朴勝俊(関西学院大学教授) これは,論文が受理された後に,表紙…
www.youtube.com 戦後の経済成長を支えた財政投融資に注目する動画を作りました。戦後日本の財政はながらく健全財政(一般会計の国債発行ゼロ)だったのに、どうやって戦後の産業復興やインフラ建設などの資金を、政府がまかなうことができたのでしょうか? …